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- 数万円の安い時計にオーバーホールなんてもったいないでしょ?
- 時計1本買えるくらいの高いお金をかけてやる意味あるの?
- オーバーホールで満足した人がいるなら話を聞きたい
オーバーホールは時計を分解して不具合をチェックする大切なメンテナンスですが、高いからもったいなく感じますよね。
僕は10年愛用するセイコー5をオーバーホールしましたが、また一緒に時を刻めるのが嬉しいです!時計の金額以上の料金でしたが、後悔は全くありません。

この記事では、多くの人が感じるオーバーホールがもったいない理由3つを洗い出した後、実際にオーバーホールした僕の実体験を紹介します。
- オーバーホールがもったいないと感じる理由3選
- オーバーホールとは|実は手間暇がかかるすごい作業だった
- セイコー5をオーバーホールした僕の実体験
- オーバーホールをやらなくていい人の特徴
オーバーホールを押し売りせずフェアな意見で書いているので、オーバーホールするかしないかの判断材料に役立ちますよ。
オーバーホールを決心した人のために、記事の最後では信頼できる修理店を紹介しているのでぜひ最後までご覧ください。

数万円程度の安い時計に「オーバーホールがもったいない」と思う人はたくさんいます。かく言う僕もそうでした。

オーバーホールより心機一転、新しい時計買った方が早いもん
なぜもったいないと感じるのか、ここでは3つの理由を紹介します。
オーバーホール費用が時計の購入価格と同じ、もしくはそれ以上だと「もったいない」と感じる人がいます。
オーバーホールの見積もり届いた⌚️
— Ryo ⚓︎(低浮上) (@ryo______128) August 2, 2022
安い時計買えるやん、、、 pic.twitter.com/iYDty0T3h7
時計のオーバーホールは職人による手作業が基本です。そのため、オーバーホール費用の内訳は技術料がほとんど。
工場で大量生産された安い時計でも関係なく、オーバーホールには職人の技術料がかかるため、高額なのです。
例えば国産の機械式時計であればセイコー5が5万円ほどで買えます。
一方で機械式時計のオーバーホールの相場は3~5万円します。
時計の購入価格と同じくらい、もしくはそれ以上すると「それなら新しい時計を買った方が良いのではないか」と感じてしまうのは自然です 。
時計が完全に故障しているわけではなく、まだ動いているのにオーバーホールするのは無駄だと感じがちな人がいます。
最近あまり使わなくなってたカルティエのパシャCをオーバーホールに出そうか悩んでる🤔
— ゆーと@金髪のlucky boy💋🌹 (@mebius_yu) June 21, 2021
5万くらいかかるらしいんだけど安い時計やApple Watch買えるじゃん😂
時計あまり興味ないからちゃんとしたのはこの子だけだし大切にしたいってのもあるし悩むわ💦 pic.twitter.com/02xtAhgzv8

安い時計に限った話ではありませんが、動いているなら「まだ使える」と思いますよね
時計の内部で進行している油や部品の劣化は目に見えにくく、すぐに不具合として現れません。
そのため、故障予防のオーバーホールでは必要性を感じにくいのです。

僕も壊れてから考えればいいって思っちゃいます
時計のオーバーホールは、劇的な性能向上や見た目の変化がすぐに現れないため、費用対効果を疑問視する声があります。
オーバーホールは主に内部のメンテナンスであり、見た目が変わるのは研磨による新品仕上げをしているかどうかです。

研磨も追加料金がかかるのでメンテナンスするハードルはあがりますが
数万円の時計の場合、もともと高級時計のような厳密な精度を期待していないユーザーも多く、「多少の精度のずれは仕方ない」と考える人がいます 。
そのため、オーバーホールで精度が回復しても、「目に見える効果」として実感しにくく、やってももったいないのではと疑問に思うのです。

オーバーホールがもったいないと感じるのは、高いメンテナンス費用にもかかわらず見た目の変化が少なく見えるからです。
ですがちょっと待ってください。時計の心臓部であるムーブメントには、「大手術」くらいに繊細で丁寧な作業をしているのです。
ここではオーバーホールの基本についてわかりやすく解説します。

オーバーホールは内部のムーブメントを完全に分解し、洗浄、点検、注油、再組み立て、調整を行う総合的なメンテナンスです。

車の車検みたいなものですね
オーバーホールは時計の性能を維持し、寿命を延ばすために必要不可欠です。
具体的にオーバーホールでどんなことをやっているか紹介します。下記は機械式時計での流れです。

時計のムーブメントを個々の部品単位まで完全に分解します。

腕のいい職人は、分解中に仕上がりまでの細かなプロセスを想像しながら分解しています

分解された各部品は、劣化した潤滑油、埃、微細な破片などを除去するため、超音波洗浄機で細部にわたって丁寧に洗浄されます。
部品は摩耗や損傷、変形がないかを入念に検査され、摩耗や損傷が見られる部品は、新品に交換されます。
潤滑油を摩擦点に慎重に塗布し、歯車や軸受けなどの部品がスムーズに動作するようにします。

元の時計になるよう組み立て、適切な精度になるよう調整されます。

組み立てた時計は、精度や防水性能を何日もかけて丁寧にテストされます。

オーバーホールをしないと、時刻の進み遅れなど時計の性能が段々と低下し、最終的には致命的な故障につながります。

中には部品が製造されてなく、再び動くことができなくなった時計もあります
オーバーホールしないと起こる不調のプロセス例は以下です。
- 内部の油が劣化し、潤滑性が悪くなり部品同士の摩耗が進む
- 摩耗した部品が壊れ機能しなくなる
- 精度の進み遅れや、ゼンマイを巻いてもすぐ止まるなどの症状が起こる
- 内部部品の劣化がさらに拡大、代替品がない部品は二度と再起不能な時計になる
上記は、オーバーホールをきちんと行えば避けることができます。致命的な故障の予防対策に効果的なんですね。

オーバーホールの最適な頻度は一般的に3~5年に一度とされています。

時計修理店の技術者に聞いたら上記の解答でした
3~5年にオーバーホールが必要な理由は、潤滑油の耐用期限がそのような年月だからです。
上記の頻度はあくまでも目安で、時計の使用状況や頻度によって変わります。
オーバーホールの料金相場は以下の通りです。
3針クオーツ | 25,300円 |
クオーツクロノグラフ | 31,800円 |
3針機械式 | 27,500円 |
機械式クロノグラフ | 35,200円 |

これまでオーバーホールについて初心者にわかりやすく解説しましたが、それでももったいないという気持ちはあると思います。

ここからは実際に僕がセイコー5をオーバーホールした体験談を紹介します
- なぜオーバーホールをやらなかったのか
- もったいないと感じていたのになぜオーバーホールを決心したのか
- オーバーホールをして時計がどう変わったのか
- 結局オーバーホールをしてよかったのか
上記について想いをつづります。
僕としてはオーバーホールをやってよかったと感じていますが、無理にオーバーホールをすすめるつもりはないので、気軽に読んでみてくださいね。

セイコーとの出会いは高校生の時でした。
当時親友のMくんが時計好きで、リサイクルショップですすめられて購入したセイコー5。

当時5000円で購入しました
小さな機械が僕の腕で一生懸命動いている。裏側から覗く、まるで生きているようなムーブメントに心躍る日々。
毎日大切につける、それが初めての機械式時計、セイコー5との出会いでした。

今は時計のブログを書くほどに。友人のMには感謝しかありません
大切な時計ですが、元も子もないことを言うとオーバーホール代がもったいなくて10年していませんでした。
現状に不満もなく、どんなに落として傷ついても動き続けるタフなセイコー5。
元気に動いているならメンテナンスなんて考えなくていいやと思っていました。
オーバーホールなんて考えず10年が経過したとき、ふと思ったんです。

今の時計、壊れたらどうなるの?
探してみると、絶版モデルのため新品はもちろん、中古でもあまり見ないと気づきました。
そもそも今使っている「この」セイコー5が気に入っています。だから、10年ともに過ごしたセイコー5は代えがたい時計です。
しかし、いくら10年動き続けたタフな時計でも、よく見るとボロボロのセイコー5。

これからも維持していくにはオーバーホールしかないと考え、時計修理店を探しました。
僕は最終的にALLU WATCH REPAIRを選びましたが、なぜここにしたのかは別の記事で解説しています。
>> ALLU WATCH REPAIRでオーバーホールした体験談を見る

オーバーホールから戻ってきたセイコー5。
先のもったいない理由で解説した通り、見た目に物理的な変化はありません。
ですが、オーラが全然違います。
これはオーナーである僕だからわかることですが、オーバーホール前後で輝きがよりクリアになったのです。

詳しくレビューしているのでよければ以下の記事からチェックしてくださいね
また当分は安心して使い続けられるセイコー5。かかった料金はおよそ30,000円ですが、後悔はありません。
安心感や、気兼ねなく時計を使い続けられることから、オーバーホールはトータルやってよかったと満足しています。

僕はオーバーホールをやって効果はしていませんが、万人にすすめることはしません。
ここでは、オーバーホールをやらなくてもいい人の特徴を2つ紹介します。
- 使っている時計に思い入れがない
- ゾッコンになるほど新しくほしい時計がある

使っている時計に特別な思い入れがない場合、オーバーホールは不要です。
同じものを長く愛用する喜びをオーバーホールは与えてくれますが、時計が単なる時間を知るための道具ならメンテナンス費用がもったいないです。
今お使いの時計に不調が起きたなら、新しい時計に買い替えましょう。

今使っている時計を忘れるくらいゾッコンになる憧れの時計があるなら、今の時計はオーバーホールするほどではありません。

悲しいですが、今お使いの時計が壊れたら代わりの安い時計で間に合わせましょう
新しい時計が欲しいのは素敵なことです。
憧れの時計のためにお金を貯めて買う必要がありますが、オーバーホールに払ってしまうとその分、目標の時計が遠ざかります。
無理にオーバーホールせず、使いつぶすくらいに時計としての役割を全うさせてあげましょう。

時計のオーバーホールがもったいないと感じている人は、オーバーホールに関して疑問や不明点を抱えています。
ここでは、オーバーホールでよくある質問3つに答えていきます。
クオーツ時計であっても定期的なオーバーホールは必要です。
クオーツ時計のムーブメントは機械式に比べて摩擦抵抗が少ない設計になっていますが、それでも油が使われているため、時間の経過とともに潤滑油は劣化します。
油が劣化すると歯車の動きが悪くなり、負荷が大きくなることから電池をどんどん消費します。
クオーツ時計にも電池交換だけでなく、定期的なオーバーホールは必要です。
時計の売却前にオーバーホールは不要です。オーバーホールをしたからといって、払った費用分が査定額に上乗せされるケースはほとんどありません。
中古時計販売店はオーバーホールする提携業者を抱えているため、どんなに壊れた状態でもそのまま査定に出しましょう。
より高く査定額を上げたいならオーバーホールはせずに、柔らかいクロスで丁寧に拭くなど簡単なメンテナンスで十分です。
結果的に僕は10年に1回のオーバーホールとなりましたが、不調がないのでしたら10年に1度でも問題ありません。
もちろん、定期的にオーバーホールするに越したことはありません。ですが、不調がないのにメンテナンスするのも費用がその分かかります。
3~5年のオーバーホールが一般的ですが、何ら問題なく使えているのでしたら10年に1回のオーバーホールで結構です。
今回は、時計のオーバーホールはもったいない3つの理由と僕の体験談を紹介しました。
▼セイコー5をオーバーホールした僕の感想まとめ
- 研磨していなくても、オーラが全く違うくらいに見た目がよくなった
- ずっと長く愛用してきたから、また使い続けることができて安心
- 料金は時計より高いけど、トータル大満足!
オーバーホールは時計を長く使い続けるための大切なメンテナンスです。
もったいないと感じるならオーバーホールは不要ですが、少しでも今の時計が気に入っているなら、ぜひメンテナンスを考えてみてください。

きっと、あなたの時計も喜びますよ!
信頼できるオーバーホール修理店はリぺスタで、以下の記事で詳しく紹介しています。